家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地のプロ菅原です。
ムク材と集成材
コロナショックの影響で、国際的な木材価格が高騰しています。
その要因も、新しい生活様式を求めて、
世界中で家を建て始めているということから始まっています。
住宅建設には、どこの国で建てるにしても
木材を欠かすことはできません。
自然が作り出す木は人の目に見えるように
進化していなくても、
木材の使い方は人間が工夫を重ねて進化してきました。
その一つが集成材です。
木材と鉄筋コンクリート
高層住宅やアパートなどの集合住宅を除けば、
日本で建っている住宅のほとんどが木造です。
なんとなく木よりも、
鉄やコンクリートの方が、
強くて丈夫だと思っている人も
多いのではないでしょうか。
でも、木はとても強く、建築には最適の材料です。
そのことは、何よりも歴史を見ればわかります。
鉄筋コンクリートの建物はおよそ130年前に
初めて建てられ現存していません。
鉄骨造りの橋も、初めてイギリスで
建造されたのは230年前です。
それに比べて世界最古の木造建築物は、
1400年前に建てられ、
世界遺産になっている法隆寺です。
そのうえ、昭和の高度成長期に
工事されたコンクリートや鉄でできた、
トンネルや鉄橋などの社会インフラは、
半世紀ほどで大規模な改修工事を必要としています。
人類が生み出した科学や知恵は、
自然が想像した樹木の生存戦略には、
いまだ追いつけないということでしょうか。
それほど、木材は強くて理想的な建材なのです。
木材は割れても大丈夫?
でも、やはりまだ木材には、
心配があります。
たとえば、割れたり腐ったりしている
木材を見かけることがあるからです。
もちろんコンクリートにもヒビが入り、
鉄も錆びますが、
木材の方がなぜか不安です。
こうした不安に対しては、
実験で確かめてみる他ありません。
これまでに何度も実施された検証実験でも、
木材両面の干割れの量と強度との関係に
相関があることは認められていません。
たとえば、スギ無等級材の柱に入った
割れの大きさや多さに対して、
基準強度が低下している傾向は見えません。
木材は割れていても強度は落ちていないのです。
ただし、材を貫通するような割れに関しては
強度が関係するといわれています。
確かに柱が真っ二つに割れてしまっては、
誰が考えても強度が保てるとは思えないでしょう。
しかし、実は木材は基本的に
貫通割れを起こすようにはできていません。
樹木そのものに、貫通割れを起こさない生存戦略があるのです。
材面割れが多く発生した柱の強度試験結果を
静岡県林業技術センターが
研究報告していますので参考にのぞいてみてください。
本日はこれまでです
おうちのはなしからでした。
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。