家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。
経済と住宅
経済指標が語る家づくり
世界はグローバル経済でつながり、
安全保障や地政的な面まで
複雑な関係性を持って動いています。
そんな経済の動向と、
日本の一家族が家を建てることは、
まったく無意味でもありません。
コロナ・パンデミックに見舞われた
経済活動の中における、
日本の住宅事情を分析してみたものを
見ていきましょう。
経済政策と住宅施策
国の実施する経済政策には、
必ずといって良いほど住宅施策が含まれます。
それは住宅建設に
携わっている人の裾野が大きいことと、
住宅取得による経済効果は
住宅投資額の1.84倍の経済誘発効果が
期待できるからです。
さらに単純な消費とは違い、
国の資産を増やすことにつながります。
これらを鑑みても政治で経済を動かすためには、
住宅施策は欠かせないものなのです。
特に海外では顕著で、
名を残した政治家の施策を見ても分かります。
イギリスで「鉄の女」と呼ばれ、
大胆な経済施策をしたサッチャー首相の
住宅施策は現代の世界経済につながるものでした。
国の持つ公営住宅を
イギリスの国民に払い下げして、
持ち家という資産を広めたのです。
国の財政を改善すると同時に、
イギリス経済の復興と、
国民の生活を豊かにすることにつながりました。
こうした国民資産としての
住宅施策の基本をつくったのは、
アメリカのルーズベルト大統領です。
世界大恐慌に対するニューディール政策の中で、
住宅の価格を安定させる
評価法や住宅金融システム施策を盛り込み、
10分の1まで落ち込んだ住宅着工を
V字回復させました。
アメリカの住宅産業100年間の貢献度について、
マスコミがNo.1に選出したのも同大統領であり、
アメリカに、プレーリー様式の住宅を築いた
F.L.ライト住宅創業者を抑えています。
この貢献度では、
そのほかにも数人の大統領が
選出されていることを考えても、
経済対策としての住宅施策は
政治家としての関門でもあります。
残念ながら日本には、
土木や公共工事などの建設を進めた政治家はいても、
真剣に住宅建築の施策を進めた
政治家の名を聞くことはありません。
これを前提にして、
国民千人当たりの住宅投資額の欧米各国との
比較を見てみましょう。
新築が多い日本ですから
投資額が大きいかと考えたくなりますが、
先進国の中では低く、まだ足りないようです。
千人当たりの住宅投資額(万米ドル)
アメリカ 243.5万ドル
イギリス 166.1万ドル
フランス 268.4万ドル
ドイツ 306.2万ドル
日本 159.6万ドル
さまざまな局面で、
日本の経済の特異性が語られることも多いのですが、
住宅経済につても日本は少し違うようです。
本日はこれまでです
おうちのはなしからでした。
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。