家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
几帳面な人
几帳面な人という言葉にも、
住まい文化の名残があります。
「面」という言葉は、
さまざまな物品の角の形状のことを
指します。
多くの角は
直角に切られているものですが、
角がそのままの形であると
危ないので、
さまざまな形に削られます。
これを
「面を取る」といいます。
柱の面取りでは、
古い時代になるほど
大きく面が取られ、
柱の幅の5分の1ほどもあり、
まるで
八角柱のように見えます。
時代が下がると、
12~13分の1ほどになります。
そして、本当に細い面取りは
「糸面」といいます。
また、角をつくらずに
丸く削れば「丸面」です。
まるで丸い材を
埋め込まれているように
削り出したものは「蟹面」です。
断面にしてみたときには、
まるで蟹の目のような
形状になります。
さらに、
削るときの斜めの角度を
45度にしないで傾けたものは、
「猿頬面」といいます。
和室の天井の竿縁などに
よく使われていますが、
やはり断面で見ると、
まるで猿の顔のように見えます。
竿縁などの材を
細かく見せる時に使われるのですが、
古人の名づけの知恵の深さには
感心させられます。
この面形状の中でも、
一つの角の中に、
3つの角ができるように
削られた面のことを
「几帳面」といいます。
この面形状は、
家具の一種である几帳に
よく使われたものでした。
几帳とは
着物などの布などをかける家具で、
空間を仕切るときなどに
使われています。
身近にあって大切な家具なので、
手の込んだ加工が
なされていたのです。
このことから、
几帳面とは
きっちりとした仕事ぶりを
指すようになりました。
あえて事例としてあげれば、
東京都庁ビルの角の形です。
ただし、
几帳面を意図しているのではなく、
ビル風を防ぐために
考えられた形ということです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。