家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

識者に聞く 前 真之氏 東京大学准教授

全館空調でZFH水準は大問題

G2以上の断熱が必要

省エネ技術を幅広く研究する

東京大学の前真之准教授は、

電気料金が上がっても

住人が光熱費を気にせず、

快適に暮らせる住宅の重要性を訴える。

その方法と、

電気料金を取り巻く状況、

賢い電気の使い方を聞いた。

暖房需要が重なる2023年1月に

電気料金が過去最高水準となり、

寒冷地では

月額10万円に達する家もあった。

その時は話題になったものの、

その後に政府が

23年2月(1月使用分)から

電気料金を補助する

激変緩和措置を講じ、

現時点では平年並みに下がり、

世間の関心も薄らいでいる。

私は政府のこの対応は、

非常にまずかったと思っている。

電気代は高騰したときは

省エネ対策を導入しよう、

新技術を採用しようという機運が

盛り上がっていた。

その芽をつぶしかねないからだ。

補助金をただばらまくのではなく、

省エネ対策を導入して

電気代の上昇を抑える支援に

もっと回すべきだ。

住宅の電気代を下げる方法は、

電気の使用量を

減らすことだけではない。

例えば、

太陽光発電パネルでつくった電気を

自家消費して

電気を買う量を減らせば、

電気の使用量を変えずに

電気代を下げられる。

電気の使い方も重要だ。

かつては、

電力会社による

再生可能エネルギーの買い取価格が

深夜電気料金よりも高かったが、

いまは逆転している。

そのため、

昼に発電した電気を売って

深夜にエコキュートを沸かすよりも、

昼に発電した電気で沸かす

「おひさまエコキュート」

が経済的だ。

いまの

大手電力会社の料金プランは

せいぜい時間帯の違いくらいで

単価の変動は小さいが、

今後は

需要に合わせて時々刻々と変化する

市場価格に連動すると予測される。

そうなると、暖房設備を

電気料金の価格の安い時間帯に

運転して高い時間帯は止めるという、

「デマンドレスポンス制御」

で電気代を下げることが可能になる。

デマンドレスポンス制御の

効果を発揮するのに重要なのが、

断熱性能だ。

断熱性能が低いと

暖房設備を止めた途端室温が下がるので、

また暖房をつけなければならない。

断熱性能は、

快適性を維持しつつ

電気代を下げるのに欠かせない。

私は、断熱等級6もしくは

HEAT20(20年先を見据えた

日本の高断熱住宅研究会)

のG2以上が必要だと考える。

HEAT20の試算では、

G2だと断熱等級4にするよりも

エアコンの部分間欠運転で

暖房熱負荷を55%削減できて、

最低室温13℃を維持できる。

G1で全館連続運転した場合、

断熱等級4で部分間欠運転したとき

と比べて暖房負荷が1.5倍に増える。

断熱等級5のZEHレベルのまま

全館空調を導入する

住宅メーカーが多くみられるが、

電気代やCO2削減の点で

問題だと感じる。 (談)

本日はこれまでです。

NIKKEI ARCHITECTURE 2023-6-8 からでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。