家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
都市か田園か
町に住めば、
田園の風景を懐かしく思い、
田舎に住めば、
街の賑わいにさみしさを感じる。
どちらにも魅力はありますが、
どちらにも迷いがあります。
それはいつの時代にも
共通の望みであり、
迷いなのかもしれません。
「ゆく河の流れは絶えずして、
しかももとの水にあらず」
『方丈記』を記した鴨長明も、
同じ気持であったに違いありません。
賑わいを避けて閑居を望みながら、
世の中で起きる災禍や人の営みを
憂いて文字を連ねています。
この『方丈記』は、
まさに1丈四方の庵で
書かれたとされています。
約3m四方の部屋です。
現代の8畳よりも狭い空間の中に
寝食のスペースを取り、
さらに仏教の修業の場と、
琵琶を奏でる芸の場を
設けています。
そして、
移動できるように
建物のそれぞれの部材が
金物で接合され、分解、
組み立てができたとされています。
閑居の生活の潔さとは別に、
長明が台車を曳いて閑居の場所を
模索していたことを創造すると、
おかしくありませんか。
たぶん場所を移ることに、
迷いも生じていたことでしょう。
その中には、都と草庵への迷いも
あったことでしょう。
だからこそ末尾は、
閑居への迷いで締められています。
交通の便が良くなり、
都市と田園が比較的容易に
行き来できるようになった時代は、
より自由に生活の場を
選択できるはずなのですが、
人口が減少する側面では
田舎の衰退が危惧されています。
逆に都市の住まいと閑居との
二地域住居の選択を
得られる可能性もあり、
都市か田園かなどと、
迷うことのない時代が来ようと
しているのかもしれません。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。