家づくりこぼれ話

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

エコハウスについて

建物の断熱や省エネが専門の

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の

前真之准教授が解説しています。(引用文を記述します)

Q,  ZEH-Mはすごいマンション?

A、

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの

集合住宅版「ZEH-M」の

過半は太陽光発電なし

 :断熱・設備の強化なしに省エネ強化が

認められる魔法の評価方法で、

ゼロエネは名ばかりに

2023年の新設住宅着工戸数が

82万戸を切った。

東京大学大学院の前真之准教授は、

集合住宅を終の住処に

選ぶ人も増える今、

集合住宅版ZEHの

省エネ性能に疑問を呈する。

「設置しない」が最強の省エネ?

国交省のマジックは、

断熱等級4を等級5に

化かすにとどまらない。

同省謹製の

「エネルギー消費性能計算プログラム」

(通称WEBプロ)を用いて

評価する省エネ性能においても、

意味不明としか言いようのない

イリュージョンが繰り広がれている。

先の集合住宅の1住戸について、

WEBプロを用いて算出した

1次エネルギー消費量から、

そのイリュージョンの数々を

お目にかけよう。

1つは暖房。

設計建物の暖房設備を

「設置しない」と選択すると、

2.3GJの省エネ効果が

得られてしまう。

集合住宅では住まい手が

設備を持ち込むことが多いとはいえ、

「中程度の効率のエアコンが持ち込まれる」

と自動的に評価する曲解には恐れ入る。

この「設置しない」効果がより強烈なのが、

照明設備だ。

基準値では2012年ごろの

標準設備を想定するので

「白熱灯あり」となる一方、

「設置しない」を選択した設計値は、

「すべて高効率なLED照明が持ち込まれる」

と想定される。

結果、何もせずとも

4.2GJもの省エネ効果がもらえるのだ。

後は給湯設備に潜熱回収型の

ガス給湯機(通称エコジョーズ)を選び、

水栓を節湯型にすれば、

2.4GJの省エネ。

合計で約20%の

省エネが達成できる。

こうして設備は

「設置しない」を駆使すれば、

苦も無く「ZEH水準」を

名乗れてしまうのだ。

こうした評価手法の操作で

「ゼロエネ」を仕立て上げたところで、

所詮は幻。

集合住宅版ZEHの多くは、

旧来の断熱等級4に

エコジョーズ・節湯水栓を

追加しただけなのが実体だ。

これでは居住環境の改善や

光熱費の低減につながるワケがない。

集合住宅は、

戸建て住宅以上に消費者向けの情報が

限られており、

そのお寒いウソが知られていない。

集合住宅を

終の住処に選ぶ人が増えるなか、

ホントの性能を

高める努力をしなければ、

そこで暮らす多くの人々を

未来永劫苦しめてしまう。

数字いじりのマジックに

うつつを抜かす暇などないことを、

集合住宅に係る行政や

事業者は痛感すべきである。

本日はこれまでです。

NIKKEI   ARCHITECTUREからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。