家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
ひと手間の美学
箸を使う食事文化は、
東アジアに広がっていますが、
国ごとに異なる特徴があります。
中国では、
象牙や竹の太い箸、
韓国では、
金属製の細く平たい箸、
そして日本では、
漆塗りなどの木製で細く尖った箸が
使われています。
形状だけではなく、
箸の並べ方も異なり、
中国や韓国では
縦に並べるのに対し、
日本では
横に並べる習慣があります。
なぜ日本は
横に並べるのでしょうか?
箸を縦に置くと、
持ち手をそのまま動かして
簡単に箸を取ったり置いたり
できますが、
横に置くと
少し持ち替えが必要になります。
これは一見、
非合理的に感じるかもしれません。
実際、
日本文化は合理性を重視してきた
歴史があります。
新渡戸稲造の『武士道』でも、
日本の茶道は動作の無駄を省き、
合理的に動くことを
重視していると語られています。
日常の動作を流れるように
美しく行うことは、
日本の生産性の追求にも通じます。
しかし、
日本文化には合理性だけでなく
「ひと手間かける」美学も
深く根付いています。
手間暇を惜しまずに
行う伝統工芸や、
職人が細部にまでこだわった
ものづくりは、
日本の美意識の一部であり、
マシンでは再現できない
技術と感性が宿る場所なのです。
箸の並べ方ひとつをとっても、
合理性と手間のバランスが
垣間見えます。
横に並べて、
わざわざ持ち帰る所作には、
手間をかけることで生まれる
美しさがあります。
この、
「ひと手間」の価値を感じながら、
私たちは、
美しい所作や生活を
大切にしているのです。
毎日の食事の度に、
この「ひと手間の美学」を思い出し、
箸を丁寧に使うことで、
生活に豊かな味わいを
感じてみましょう。
合理性を追求しつつも
手間を惜しまない、
そのバランスが
日本人の美意識の根幹にあるのです。
本日はこれまでです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。