家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地のプロ菅原です。
家は第2の森
このようにして森にあった樹木が、
木材として里に移り住宅となって
新しく生まれ変わります。
そこで、
次のような想像をしてみてください。
山に合った森林の木立が、
住宅の中で柱となって
林立していると見るのです。
横に伸びた枝は、住宅では床を支える梁です。
そして住宅は固定化されたCO₂を
たくさん蓄えているのです。
こうして考えると、
家は第2の森に見えてきます。
樹木は木材として家になるまでの間に、
木屑として失われた部分もあります。
それを考えると、
5~70年の樹木が育った時間以上に、
家を大切にしなければなりません。
地球環境を守るために
森を守ることと同じように、
木造住宅を建てて、守ってゆくことも
地球環境を守ることに通じているということです。
古民家の教え
木材は長持ちしないと思っている人も
多いと思います。
目の前で痩せて、
腐ってゆく木材を見ることもあります
でも、残されている建築物を見ると、
その概念はちょっと変わります。
1300年を超えて立ち入ることのできる
木造建築物として法隆寺が残されている一方、
鉄骨造りは約260年前の鉄橋が最も古い建造物です。
さらに鉄筋コンクリートは
約130年前に初めて建てられ、
いまはその痕跡しか残されていません。
それは最先端の技術だけではなく、
市井の古民家でも証明されています。
しかも、鉄やコンクリートを使うのには、
大きなエネルギー量を必要として、
木材の何倍ものCO₂を排出します。
その古民家の多くは柱を基盤の目状に
配置してつくられているので、
何百年もの間に生活様式が変わっても
対応できるように造られています。
確かに構造の解説ができない
ローテクの時代の建物かもしれませんが、
だからこそサスティナブルが達成できているといえます。
その意味では、
自由な設計の能力は退化していると
考えられないわけでもありません。
また、古民家には樹齢100年以上もの材が
使われていることもありますが、
決してもったいないとは思えません。
すでに樹齢以上の使用に耐えています。
それに対して、
いまの日本に育つ国産材は
70年を超えようとしていますが、
それを3~40年で壊してしまう方が、
よほどもったいないことです。
脱炭素社会が望まれているときに、
森林がCO₂を固定化する功績を鑑みれば、
この木材を長く使うテクノロジーこそ、
最も基盤に置いて進めなければいけないことなのかもしれません。
本日はこれまでです
おうちのはなしからでした。
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。