家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地のプロ菅原です。

 

 

ムク垢材と集成材

 

では価格比較を見ていきましょう。

たとえば、住宅に使われる柱の価格で、

比較してみる次の通りです。

 

 

含水率20% ムク材 2500円(国産材)

 

含水率15% ムク材 4000円(国産材)

 

含水率15% 集成材 4500円(国産材)

 

含水率15% 集成材 2500円(WW.RW)

 

 

最後の集成材は、材料の違いです。

外材のホワイトウッド(WW)や

レッドウッド(RW)ですが、

コロナパンデミックによるウッドショックで

この価格も今や倍以上に高騰しています。

 

 

木材が手に入らないと、

住宅を建てることができません。

 

 

集成材を勧める人の中には、

 

「集成材の強度はムク材の1.5倍」

 

という人もいます。

 

しかし現在の基準強度を考えれば、誤った表現です。

 

 

自然の材料である木材は、

強度にも個性があり、

グレーディングで区分された材の中には

集成材よりも強い木材はたくさんあります。

 

 

集成材にすれば、

強くなるというものではありません。

 

 

逆に、ムク材を勧める人の中には、

接着剤でくっつけることに否定的な人もいます。

 

 

種類によっては、水や火に強い接着剤もあり、

心配であれば、集成材を見て、

接着面が黒い色をしていれば安心できます。

 

 

レゾルシノールという接着剤で、

世界中で橋梁や大型建築物にも

集成材は使われています。

 

じつは第二次大戦では日本軍はゼロ戦のプロペラを、

この接着剤を使用した集成材でつくった実績があります。

 

 

70年以上前につくられたその材は、

いまだに剥離もしないで残されています。

 

 

また、東大寺の柱や数々の仏像や寄木細工などでも、

木材を合わせる技術は、日本では伝統的に行われてきました。

 

 

陸稲や漆を接着剤にしていました。

もっとも乾燥のためではなく、

大きな材料が手に入らなかったためです。

 

 

乾燥されていないムク材を使うよりは、

しっかりと乾燥させた集成材を使う方が得策といえます。

 

 

柱や梁だけではなく、

構造用の合板もいわば集成材の仲間です。

 

 

近年では特に建物強度を確保するために、

2階の床に厚物の合板を設置する現場も増えてきました。

 

 

ムク材だけにこだわるのではなく、

木材の木種を適材適所に選ぶのと同じように、

ムク材と集成材を選んで、目的に合わせて

上手に使うことが何よりも大事なことです。

 

 

木造住宅の主役である木材について、

これだけのことを知っておくと、

建設会社とのコミュニケーションを楽しめるようになります。

 

 

近隣に建設現場を見かけることがあったら、

ちょっと質問をしてみるとよいでしょう。

 

 

本日はこれまでです

おうちのはなしからでした。

 

 

では、では。

 

「家づくりを通じて、

   ご家族が幸せになるお手伝いをする」

 

私の使命です。