家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。
吹抜け家のある家
天井高の格式
天井が高いことには、
ほかにも面白い話があります。
日本の大学の古い校舎の天井高にも、
差があるというのです。
第一学府の東京大学の天井高は高いのですが、
学府が下がるほど
天井高は低くなると教えてくれました。
これも「天井が高いと……」
と語りたくなりますが、
その実は単純なことでした。
最初の潤沢な予算で
建てられた東京大学は
天井が高くてもよかったのですが、
予算が限られると、
真っ先に天井の高さが
下げられたのが原因です。
中層から高層になるほど、
階高が高くなると、
それが重なって総予算に大きく響きます。
他愛のないことですが、
現実に働いている先生方の意識の奥には
残されているのです。
また、
日本の伝統建築でも
天井の高さは格式を現しています。
たとえば古民家を見学しても、
最も上座の座敷の天井には
格子が組まれて一段高くなっています。
折り上げ格天井となれば、
さらに格が上がります。
天井が高いことはそれだけで、
格式が高く贅沢なことなのです。
吹抜けの魅力
洋の東西を問わず、
古建築に高い天井が見られたのは、
単純に階高を高くして
建てられていたことにあります。
それだけ長い柱を数多く用意する必要もあって
建築費もかかります。
そこで一般的な家では階高を上げずに、
一部の2階の床を抜いて、
吹抜けとすることで
高い天井にすることができます。
吹き抜けの言葉の原義です。
同じ面積の空間でも、
吹抜があるだけで広さを感じます。
面積ではなく空気の量で広さや豊かさを
感じているのではないかと思えるほどです。
外から見ていた印象が変わるほど、
家の中に入ってみて大きな空間が現れると、
オシャレな空間に出会ったと感じるものです。
部屋の空間が広がれば音の響きも変わり、
雑談をして過ごしていても違う時間になります。
吹抜けのある空間には、
ほかにはない魅力があるのです。
この吹抜けですが、考えてみれば
戸建て住宅だからこそ
味わえる空間の贅沢です。
マンションや貸家で
吹抜けのある空間に住むことは、
よほど限られた物件でなければできません。
庭づくりと同じ、
戸建て住宅だからこそ楽しめる豊かさです。
2階の床を抜くとすれば、
平屋の家ではできないと
考えるかもしれません。
でも屋根勾配に合わせて
小屋裏空間を利用すれば、
むしろ平屋の方が
楽に吹抜けをつくることができます。
本日はこれまでです
おうちのはなしからでした。
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です