家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。

 

 

吹抜け家のある家

 

吹抜けとエネルギー

 

家全体の空気を

温めたり冷やしたりすることには、

相応のエネルギー量を必要とすることも

間違いありません。

 

空気というのは

閉じ込めれば断熱材として使われるほど、

熱を伝えにくい物質です。

 

 

天井が高く吹抜けがある家は、

コントロールするべき、

その空気量が多くなっています。

 

 

そのため省エネ住宅の

エネルギー消費量を考えるときには、

吹抜けを考慮する必要があります。

 

 

エネルギー消費量は、

基本的には住宅の面積に

比例するものとして計算されます。

 

 

この時、吹抜部の面積算定方法が

特別に定められているのです。

 

 

その基準は、天井高4.2mです。

 

 

これよりも高い天井の吹き抜けは、

エネルギーの消費面積を

2層分とみなして計算します。

 

 

それだけエネルギー消費量が

あるとされるのです。

 

 

4.2mといえば、

通常の居室の天井高さが2.4mなので、

 

 

2階の床を抜いた吹抜けだけであれば

超えてしまいます。

 

 

もちろん、

消費量を算定するために

法律的に定められた数値ですから、

数値だけにとらわれるものではありません。

 

 

それでも、余分なエネルギー消費を

することは、地球環境に敏感な時代に

ふさわしくないとも思えます。

 

吹抜けのデザイン

 

また、視覚的にも天井は

高すぎてはいけません。

 

 

一般的な住宅の吹き抜け空間は、

それほど大きくもなく、

 

 

2階の天井まで届く吹抜けでは、

通常の視覚の範囲に天井が入らず、

見上げるようになってしまいます。

 

 

それは決して、

安心できる空間として相応とも思えません。

 

 

吹抜ではなく、

間が抜けた空間になりかねません。

 

 

デザインという側面で見ても、

4.2m程度以下の天井高さにしておくことは、

じつは大事なポイントになりそうです。

 

 

それは意外と設計上のテクニックを

必要とすることで、

これを上手にこなせるか否かが

住宅デザイナーとしての

実力を見極めるポイントにもなります。

 

 

天井が高い欧米の建築は、

そのまま明治維新期から大戦までの間に

日本でも建てられた洋館にも共通しています。

 

 

奇しくも、これらの洋館の吹き抜けと

思われる天井高さは、

まさにこの基準に沿った天井高です。

 

 

省エネに適す吹抜のデザインにも、

歴史と文化に大きなヒントがあるということです。

 

 

この家で育ち

新しい歴史をつくる子ども達のためにも、

吹抜のある家に住みたいものです。

 

 

本日はこれまでです

おうちのはなしからでした。

 

 

では、では。

 

「家づくりを通じて、

   ご家族が幸せになるお手伝いをする」

 

私の使命です。