家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。

法律から見えてくる住宅の課題

住宅に関する法律

私たちの今の暮らしは、

さまざまな条件の下で営まれています。

世界中の物価が上がれば

経済的な要因に左右され、

地政学的、あるいは文化的な要因にも

ゆるく拘束されています。

技術的にできること、

できないこともあり、

さらに法律的な条件もあります。

住宅の法律には意外な事情があって、

時代に合わせて変わってゆきます。

そんな住宅の法律のはなしです。

「太陽光義務化」

昨今、東京都の小池知事が、

新築住宅のすべてに

「太陽光発電パネル」の義務化を

進めるというニュースがありました。

この原案も、

同じ法律案の中にあります。

行政によって

「建築物再生可能エネルギー

利用促進区域」

を定めることができるという法律が

2025年より施行されます。

この法律で市町村の行政は、

利用促進区域を設置して、

その区域に建てる建築主に

「太陽光パネル」の設置義務を

課することができるのです。

基本となる法律がなければ、

たとえ知事といえども

国民に義務を課すような

行政はできません。

小池都知事は、誰よりも先じて

脱炭素社会への危機感を抱き、

具体的な対策を

進めようとしていたのです。

しかし、

一方では矛盾する要件もあります。

土地価格の高い東京都では

建築される土地も狭く、

建てられている住宅の多くが

北向きの屋根となっています。

太陽光パネルの設置が

義務化されても、

設置できる屋根がないのです。

建設地の北側の住人の

日照権を確保するために、

北側の隣地境界から

「北側斜線制限」という法律が

制定されています。

多くの建築主が、狭い土地に

最大限の空間を確保するために、

北側斜線制限に沿って

建築物を建てるために

屋根が北側に向くのです。

建築地の広い地域では

このような心配もありませんが、

もっとも太陽光パネルを

設置しにくい行政の長が、

「建築物再生可能エネルギー

利用促進区域」

に飛びつく結果と

なってしまいました。

ただ、

再生可能エネルギーのための

設備設置をする屋根に関しては、

許可の範囲で

限度を超えることができる

という改正案が、

同時に組み込まれています。

さすがに詳細は2025年までに

検討されることになると思われますが、

この矛盾が

どのように解決されてゆくのか、

動向を見守りたいものです。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。