家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。
玄妙なるところへの関門
住宅に玄関はあるのが
当たり前のように思っていますが、
一般的な古民家では
玄関があるのは
それほど多くありません。
というのは、
玄関のかわりに土間とか縁側から、
日常的な出入りをしていたからです。
土間は家事を含めた作業の場であり、
竪穴住宅から考えれば、
土間以外の居住空間が
高床になったと
考えた方が腑に落ちます。
それと同時に
外からは段差のついた縁側ができ、
深い庇の下、
日本の文化を象徴する
曖昧の空間となりました。
外と内を結ぶには、
土間や縁側は、
広さも明るさも
玄関よりも適しています。
むかしの豪農の古民家には、
土間と縁側の間に、
玄関がわざわざつくられています。
あえて
玄関をつけるのは、
別の意味があってのことである
ことが分かります。
玄関の原義は、
玄妙なところへの関門です。
玄妙なところとは
どこのことでしょうか。
それは外に対しての内であり、
内に対しての外です。
外と内との関係を、
玄妙なるほど乖離していると
考えているのです。
つまり、
縁側や土間は、
中間にあって曖昧になるほど
外と内を結びつけるものであり、
玄関はその差が
隔絶していると感じるほど、
仕切っているものなのです。
そのような使い方を、
家族が日常的に
行うことはありません。
特別な時に、
貴人を迎えるために
玄関は造られていたということです。
その意味では、
玄関の本当の役割は、
結びつきよりも
仕切って気持ちを
切り替えるところにある
ということです。
当然、
貴人が訪れた日には、
家族も緊張して
出迎えていたことでしょう。
日常ではない、
ハレの日に使われるのが
玄関であったのです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。