家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
日本の「木の文化」と家
世界遺産と私たちの住まい
寺社建築だけではなく、
古民家として残されている建物でも、
世界に特有の
木組みの技術を使って建てられ、
日本は「木の文化」と
いわれています。
そして現代の
新築の戸建て住宅でも、
多くは木造住宅を
守り続けています。
日本の世界遺産を通じて、
身の回りの住まいにある
日本の「木の文化」を感じながら
暮らしてみましょう。
「屋久島」とスギ
同じ1993年に
世界自然遺産として
登録されたのは、
屋久島と白神山地です。
どちらも
スギとブナの原生林が
残されています。
屋久島の縄文スギは
国際的にも有名で、
ホットスポットとして
訪れる人も多くいます。
この杉も、
ヒノキに劣らないほど
日本の「木の文化」の主役です。
日本書紀には
ヒノキと同じようにスギも
出てきます。
スギは船を造るのに
適している材とされています。
そもそも日本書紀に
記されている物語は、
最も古い日本の植林の
歴史といえます。
スサノオが自分の体毛を抜いては
投げて日本の山を
森にしてゆくのです。
ヒゲを投げるとスギになり、
胸毛がヒノキになります。
その前段にはスサノオの
植林活動の動機が記されていて、
韓の国と対抗できる
「浮宝」を求めたとあります。
「浮宝」とは船のことです。
つまりスギが
植林の目的であった
ということになります。
このスギは1種1属の、
日本固有の樹木です。
学術名も
クリプトメリア・ヤポニカといい、
日本(=ヤポニカ)という単語が
使われています。
その意味は
「日本の隠された財産」で、
命名者は
スギが日本を代表する材であると
考えていたのです。
世界には
トルコスギとかレバノンスギという
国を代表する樹木がありますが、
じつはこれらは松の一種に近く、
日本のスギとは
まったく違うものです。
そのスギの原種は、
屋久島にあるといわれています。
海流などによって
自然に広がるだけではなく、
人が使うために植林をして
日本中に広がりました。
今では、
北海道にもあります。
スギは
桶や樽などの日用品などにも
たくさん使われてきました。
もちろん、
住宅でも使われています。
たくさん植えられていて
安い材であると同時に、
じつは高級木材の
代表でもあります。
肌理(キメ)の美しさから、
仕上げ材として使われるものは
ヒノキの比ではないほど
高級です。
スギの節の味わいを残した材が、
桂離宮では
長押に使われています。
和室の天井材も理想はスギです。
新建材で作るときにも、
スギの正目や板目が
プリントされているほどです。
スギは大気汚染に弱く、
きれいな空気を吸って成長します。
しかし一方、
建材となると空気を浄化する機能が
顕著であることがわかってきました。
スギの芳香は優しく長持ちして、
肌ざわりも柔らかく
温かみがあります。
本来は傷つきやすく
床材には向かないのですが
傷も楽しむことにして
フローリングに使用する人も
増えてきました。
肌に触れてスギ材を楽しめば、
遠く世界自然遺産の屋久島からの
つながりを感じられるかもしれません。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。