家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
世界無形文化遺産の台所
創業200年を超える
“どぜう”料理の老舗に入ると、
1階の広間には
たくさんの座布団が
並んでいます。
座布団の間には
幅尺5寸(約45㎝)、
長さ2.5mほどの板が
置かれていて、
これをテーブルとして
使用します。
足のない食台は折敷(おしき)
と呼ばれて、
平城京跡からも
ヒノキ制のものが
発見されています。
折敷は今でも
茶会などでは使われています。
老舗の大衆食事場となると、
まるで足場板のようなものが
折敷の代わりとなったのでしょう。
この折敷の上に鍋がのり、
胡座をかいて箸でつまむほど
良い高さになります。
庶民の間では
板を使われることはなく、
ランチョンマットのように
ムシロや大きな葉っぱが
使われていたようです。
この折敷に
足がつくと膳となり、
その後日本では
膳は広く使われるようになります。
室町時代には中国から、
テーブルや椅子がもたらされ
一時は広まりかけたのですが
結局ほとんど
膳が使われるようになりました。
上足の家で
床に座る文化の日本には、
膳の食卓が
向いていたのでしょう。
また、
個別の膳の上に乗せる
小さな器がたくさん
作られたことも、
条件のひとつに数えられます。
それは食器の生産性の高さを
表すことでもあります。
茶人もさまざまな器を開発し、
懐石料理は
こうした食文化から
生まれてきたものだと
考えられます。
ここでも和食がユネスコの
世界無形文化遺産になったことの
一環からうかがえます。
この食器の多さが、
日本のキッチンの特徴です。
膳は台盤ともいわれ、
台盤がある場所が台盤所、
それが台所と転じました。
キッチンの語源が
「火を使う処」であることと比べると、
文化の違いがよくわかります。
食文化は住まい文化とも、
深いかかわりのあるものです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。