家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

楼と閣

「作庭記」という、

日本最古の庭づくりの本があります。

成応第二(1289年)

とありますから、

今から700年以上も前の書物です。

当時の庭づくりは

風水を基本としていて、

東西南北で定義された

青龍・白虎・朱雀・玄武の

四神にふさわしい土地となることを

目指します。

石を立てることから始まり、

主に庭づくりのことが

書かれていますが、

最後の雑部に

興味のある記述があります。

次のくだりです。

「唐人お家にかならず楼閣憂あり」

この文章だけでも、

少なくても唐からやってきた人が

多くいたということが分かります。

13世紀にも、

日本とアジアが深い交流の関係に

あったことが伺い知れます。

さらに記述では、

楼というのは庇の短い建物で、

閣というのが軒の出の長い建物

という説明があります。

楼が唐のスタイルの建物であり、

閣が日本のスタイルの建物です。

つまり、

かならず楼閣があるというのは、

中国風と日本風の2棟の家が

建てられていたということです。

当時、

唐から来た人は金持ちだったのでしょう。

庇の短い楼は、

じつは月を眺めるためとあり

長い時間眺められるように

庇を短くしたかのようです。

一方、

閣は日差しと雨を凌ぐため

庇を長くしました。

たった、

これだけのことですが、

多くの想像をかき立ててくれます。

飲食店の名前でも、

中国料理には楼が多く、

日本料理には閣がついているのも

分かる気がします。

そればかりか、

両国で意識していた天体が、

月であったか

日であったかの違いが、

現在の両国の国旗にも

表れていると思えば

意外と根深い違いなのかもしれません。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。