家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

経験という技術

地震が起きれば建物が壊れる。

そんな経験を

たくさん重ねてきたからこそ、

建て方も進化してきました。

たとえば各地に残っている城郭も、

津波の被害が及ばない場所に

建てられています。

経験から、

津波の水の出る場所は

液状化を起こしやすい場所でもあり

避けられてきたのでしょう。

考えてみれば

ほんの100年前には、

今のような杭を打つ技術も

ありませんでした。

これまでの木造に比べて

重たい煉瓦造りの東京駅を

湾沿いに建てるのに、

松杭だけで建てています。

それでも関東大震災を

耐えることができました。

城郭を建てる前には、

重たい石垣を積み重ねます。

単に積み重ねたのでは、

地盤が沈んで壊れることにも

なりかねません。

でも、杭も打たずに、

経験から壊れない建て方を

習得していました。

それは、

版築という伝統技術です。

建てる前には

できる限り深く根入れをして、

土と漆喰を混ぜたものを

層状につき固めてゆく

版築をつくれば、

地盤が沈みにくくなることを

知っているのです。

オーストラリアの

土木学者モルツァギが、

これを支持力と公式として表したのは

20世紀になってからです。

地中深くに力を届ければ、

周りの土の重さで

押え込むことができるのです。

版築は法隆寺どころか、

中国の万里の長城でも

使われてきました。

さらに古く、

中国では4000年前の

竜山文化時代にも使われていた

痕跡が出土しています。

おそらく、

人類は地面に穴を掘って、

柱を落とし込んで建てることから

始めたに違いありません。

でも、

地震などで不都合の経験を重ね、

何世代にも話を継、

試行することで習得してきました。

そして遠い日本にも、

版築の技術が伝わって、、、と

考えたくなりますが、

その中国の遺跡よりもさらに遡る

縄文時代の三大丸山遺跡でも、

版築が見つかります。

遠い古人の経験という技術は

侮れないものです。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。