家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
エコハウスについて
建物の断熱や省エネが専門の
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の
前真之准教授が解説しています。(引用文を記述します)
Q,ZEH水準の等級5で断熱は十分?
A、
:断熱等級5は「HEAT20」G1と比べて、
準寒冷地で断熱性能が著しく低い値に
設定されている
:断熱強化による
暖房の省エネ効果については、
国土交通省試算が不明瞭で
情報が混乱している
改正建築物省エネ法で
2025年4月から
適合義務化となる省エネ基準は、
断熱等級4に相当する。
この上位等級が
2022年に新設された。
前真之・東京大学大学院准教授が
上位等級の
詳細と省エネ効果を解説する。
等級6の省エネ効果は極小?
断熱の上位等級に求められている
仕様を確認してみよう。
国交省が設置した
委員会の資料によると、
等級5は窓を複層ガラスから
Low-E複層ガラスに、
壁の断熱材を85mmから
105mmに、
それぞれ等級4の仕様から
わずかに強化すればよい。
一方、
等級5を6・7にするには、
窓を樹脂サッシ、
断熱材を付加断熱(充填+外張り)
とするなど、
大幅に強化する必要がある。
肝心の
断熱の省エネ効果はどうか。
HEAT20では、
等級4からの暖房熱負荷の削減率を、
G1で40%、G2で75%と示している。
一方、国交省は、等級4からの
暖房1次エネルギー消費量の削減率を、
G1準拠の等級5で33%、
G2準拠の等級7で52%とする
試算を公表。
コストをかけて
大幅に断熱を強化しても、
等級5と6でわずか2%しか
暖房1次エネルギー消費量が
減らないというのだ。
国交省に
こう宣言されてしまっては、
多くの建築実務者が「等級5で十分!」
と考えるのは無理もない。
国交省は等級5を
「遅くとも2030年までに適合義務化」
としている一方、
等級6・7については
「普及目標なし」と明言している。
断熱は5で十分と
言わんばかりである。
念のため前途の仕様基準を用いて
WEBプロで計算してみると……
暖房1次エネルギー消費量の
削減率は等級4から5でわずかに
13%にとどまる。
国交省“謹製”のWEBプロが、
等級5さえ省エネ効果は
たいしたことがないと、
示してしまっている。
もはや
何がほんとか分からない。
こうした情報の混乱が、
断熱の普及を大きく阻害したと
筆者は考えている。
次回は、
断熱の効果のウソに
迫ることにしよう。
本日はこれまでです。
NIKKEI ARCHITECTUREからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。