家づくりこぼれ話!

こんにちは 
建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞


きる・わる・さく


世界の歴史の中で、
高度に洗練された木材技術を
残してきたのは、

日本であることは
間違いのないことです。

建築物はもとより、
彫像などでも日本には
木像が多く残されてきました。

木が朽ち果てるものであれば、
残されてはいないものですが、

木は上手に加工して手入れして、
永く残すための技術があり、

日本で培われてきた
ということです。

たとえば、
日本の木像の多くは、
ヒノキが使われています。

アジアの歴史の中では
ヒノキより壇(タン)などが
多く使われています。

単なる広葉樹と針葉樹の
違いだけではなく、

加工するための刃物も、
その扱い方も違うとされています。

日本人は針葉樹を
巧みに扱ってきました。

この木材の加工技術として、
きる・わる・さくがあります。

木材は年輪を持ち、
いわゆる円筒状に成長していて、
この方向性に3通りがあります。

長く伸びてゆく軸方向と、
年輪に垂直な放射方向と、
年輪に沿った接線の方向です。

木材を乾燥してみると、
この方向性で収縮の比率は
大きく違います。

木材を上手に使うためには、
使いたい寸法に
刻むことになります。

日本の木造技術では、
この方向性によって
「きる・わる・さく」と、
呼び方が違います。

軸方向に
長さを調節して「きる」、

薪割のように
年輪に垂直に「わる」、

そして
年輪に沿って「さく」です。

そしてこれらの加工技術は、
刃物の進化によって
洗練されてきました。

逆にいえば、
刃物が進化することによって、

木材の加工には
無理が生じてきたともいえます。

木材には背割りを入れる
と聞くことがありますが、

これは丸鋸が
できてからできることであり、
古い伝統的な技術ではありません。

その証拠に、
古民家を見ると
背割れの材はまずありません。

その古民家から
大切に回収された材を、

昨今、
新築の家に使うこともできました。

カンナ掛けや背割りの加工のない
木材のほうが、

新しい息吹の空間に、
圧倒的な存在感を示してくれます。

本日はこれまでです。
おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。