家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
500年前のモダンデザイン
都を離れて、
山居を構えた鴨長明の方丈庵には
禅に通じる考え方が根底にあり、
この世は仮の宿です。
この思想が
寝殿造りから書院造と続いてきた
住まいの様式を、
数寄屋造りに変えてゆく
原動力になりました。
数寄屋の代表である茶室は、
「市中の山居」であり、
神殿や書院のように
格式高いつくりではなく、
これらの伝統や贅沢を振り払って
簡素なつくりを目指します。
たとえ市中であっても、
まるで山奥に暮らしているような
趣を求めたのです。
茶室の中には、
世界を形成していると考えられている
「木火土金水」もっかどこんすい があれば、
それで良いとされています。
木材は茶室にはふんだんに
使われています。
そして炉には火が焚かれ、
中の灰が土、釜が金、
そして水があれば
茶の湯を楽しむことができます。
そして使われている木材も、
選び抜かれた無節の上質ではなく、
面皮で節のある材を
好んで選びます。
まさに、
山居の趣を大事にしたのです。
それはつまり、
数寄屋の対象である
書院や寝殿造りが都会的であることを
意味しています。
現代の感覚でいえば、
都会のマンションが
寝殿造りであれば、
郊外に小さなログハウスを
求めたようなものです。
こうして数寄屋は
まさに田舎のつくりを
目指していました。
しかし長い時間を経ると、
すっかり感覚は逆転してしまいます。
無駄をそぎ落とした
数寄屋のデザインは、
いかにもモダンで都会的な
イメージとなり、
書院づくりは、
田舎に残された古民家ばかりです。
私たちが書院造の空間を見れば、
田舎臭いとみてしまいますが、
500年前の当時の感覚では、
いかにも都会的な
デザインなのです。
時代が変われば、
感覚も大きく変わってゆくものです。
当然、
住まい文化も変化しつづけています。
本日はこれまでです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。