家づくりこぼれ話!

こんにちは 
建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞


東御枕
普段の寝室で、あなたは
どちらを向いて寝ていますか?

家をデザインするときにも、
あるいはベットを置くときにも
ちょっと気になります。

日本では、一般的には
北枕は縁起が悪いとされて、
避けられることが多いようです。

北枕は死者を弔う時の
寝かせ方と聞かされてきました。

確かに迷う話ですが、
方位を大事にしていた昔の人なら
決まっていたのではないか
と思いますが、

どうやら違うようです。

鎌倉時代に書かれた
兼好法師の「徒然草」の
第百三十三段に、


その迷いが書かれています。

夜の御殿は東御枕なり」とあり、
東枕で寝るのが、
陽気のエネルギーを
受けられることもあって良いといい、

孔子も東向きに寝ていた
と引き合いに出ています。

ところが寝殿造りでは、
南枕にすることが
日常的であったとも書かれ、

それどころか
白河天皇は北枕で
寝ていたとあります。

この時代にも、
どの方向に向いて寝るのがよいのか、
迷いがあったということです。

白河天皇の北枕に関しては、
忌み嫌うだけではなく、

北向きに寝れば
伊勢の大神宮の方角に
足を向けることとなると

意見されれば、


大神宮は東南の方向でずれているから
大丈夫という言い訳までしています。

古い中国の風習には、
死者を北枕に寝かせると

生き返ることがあるほどの
英気が宿る
と考えられてもいました。

だから白河天皇の北枕も
間違いではないのです。

かといって、
どうでも良いことであれば、

このように徒然草に
記されることもなかったでしょう。

気にはなるけど、
定説がないという状況は、
現代に通じる状況です。

この問いに対して、
本当の答えを求めて考え始めたら、

気になって
眠れなくなってしまいそうです。

とりあえず、
今寝ている枕の方向を
信じることにしましょう。

本日はこれまでです。
おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。