家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
基礎と地盤
基礎のない建物はない
どんなに技術が進んでも、
天空に我が家を
建てることはできません。
家を支えるためには基礎があり、
その基礎は
地盤に支えられています。
私たちは、
その地盤はいつも不動である
と感じていますが、
古代から地盤とつき合いを
重ねてきました。
そんな地盤と
その上に作る基礎の話です。
歴史から学ぶ地盤対策
東京駅だけではなく、
仏殿や塔を建てる際などに
古人が行っていた地盤対策は
「版築」という技術です。
中国では万里の長城にも
使われている技術で、
日本では寺院や墳墓の基礎部分に
使われています。
たとえば吉野ヶ里遺跡や高松塚古墳、
そして法隆寺でも多用されて、
縄文の三内丸山でも
使われていたという記述もあり、
それが本当なら、
中国文明よりも古くからの技術です。
十分に深く掘り下げた地盤の上に、
土に石灰や藁などを混ぜて、
何層にも重ねながら
突き固めたものが版築です。
この版築の上に、
磁石を置いて柱を建てます。
たったこれだけのことですが、
十分な地盤対策になっていました。
理論や計算方法がなくても、
多くの経験を継承している中で、
培われた技術のひとつなのでしょう。
現代、
20世紀前半になって、
土質力学の父と呼ばれた
カール・テルツァギの理論の一部で
説明が付けられます。
地盤に上からかけられた力は、
地盤の中で横に広がり、
その力の一部は、
上への力として分解されます。
ですから、
特に柔らかい地盤の上に
柱を立てると、
柱が沈むと同時に
周辺の土が盛り上がります。
そこに版築を築けば、
柱からの力はより深い地盤へと
伝わります。
深いところで生まれた
上に向かう力は、
周囲の土の重力で
押さえ込むことで相殺するのです。
ですから周囲の土が
盛り上がることもなく
沈下が抑えられます。
つまり古人は、
できる限り深く掘っておくことが、
大切な地盤対策になるということを
知っていたのです。
先の4つの対処方法の
②支えると③固めるを
同時に実施していたということです。
それは東京駅の松杭も
同じことです。
松杭は束ねられることで、
より版築としての効果が増します。
より深い基礎を作ることを考えれば、
杭>布基礎>べた基礎となります。
現実に構造計算を実施すると、
べた基礎には
より多くの補強のための
鉄筋を求められることが
多くなります。
技術力の高い工務店は、
こうした地盤の状況に合わせて
的確な基礎工法を
提案してくれるはずです。
本日はこれまでです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。